体を動かすのが苦手…運動音痴を克服するのにダンスは効果的?

体を動かすのが苦手…運動音痴を克服するのにダンスは効果的?

「運動音痴」というのは本当にある?

 子どもたちが遊んでいる様子や運動会を見ていると、どうも他の子どもたちより動きが遅い…。上手に身体を動かせてない…。うちの子は運動をするのが苦手なんだろうか? と不安を感じている保護者の方も多いと思います。

 「オリンピックで金メダルを取る!」というのであれば、さすがに才能というものが必要になってくると思います。ですが普通の生活をしていくレベルでは、実は大きな“才能の差”というものはありません。生まれつき「運動音痴」の子なんていないんです。でも、実際には運動が得意な子と苦手な子がいますよね。その違いはどこにあるんでしょうか?

 それは“運動体験”の差に他なりません。
 (そもそも体を動かすのが好きか嫌いか、興味があるかないか、というのはありますけどね…)

 人間の脳というのはよくできていて、何かを経験するとそのために必要な神経回路を新たに作り上げます。そしてその回路は、頻繁に経験するものほど強く大きくなっていきます。つまり“様々な動き”を“たくさん経験”している人ほど、運動に関する神経回路をたくさん持っている、ということです。これが、運動が得意な子と苦手な子の違い、というわけです。そして同時に、運動音痴を克服するのにダンスが効果的である理由でもあります。

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短い時間で、運動体験を一気に得られる…それがダンス

 ダンスの動きって、日常の中ではまずやらない動きが多いですよね? その“日常ではやらない動き”を、音楽に合わせて楽しみながら組み合わせていく…それがダンスです。ということは、ダンスの練習をする度に、日常では得られない“運動体験”を、たくさん積み重ねられる、ということです。

 とは言っても、そもそも運動が苦手なんだから、ダンスを始めるなんて無理なのでは…。そう思われるかもしれません。特に運動が苦手な子は、自分でもそのことをよく分かっていて、積極的に運動に参加しようとしないこともよくあります。そのために余計に“運動体験”が減っていってしまう…悪循環ですよね。

 私たちの教室は、通常のダンスクラスと違い、楽しく体を動かすことが目的です。上手い下手は問いませんし、振付を間違えたって構いません。そもそもハイレベルな生徒さんはいないので、そんなに気後れすることもないでしょう。

 そしてこれは大事なことなのですが、教室ではごく簡単な動きの練習を、毎週必ずやっています。通い始めたばかりの子には、まず動きに慣れてもらうために。ダンスが得意になってきた子は、それをかっこよく見せられるように。子どもたちのレベルに応じてアドバイスを変えています。初めはぎこちなかったお子様も、一曲の振付を覚えることには、見違えるように体が動くようになっているのを感じられることと思います。

 繰り返しになりますが、上手い下手は関係ありません。楽しんで体を動かして、自然と運動体験を積んでいくこと。そしていつの間にか、体を動かすことが好きに(あるいは、嫌いじゃなく)なっていること…。これが私たちの目標です。